お知らせやイベント、日々の出来事を綴った牧師によるブログ
2016.02.22
今から107年前の1909年(明治42年)現在の上川郡和寒町にある
塩狩峠で2月28日に何が起こったかご存知でしょうか。
それは長野政雄という一人の旧国鉄職員が塩狩峠で殉職した日です。
その日頂上付近で名寄発旭川行きの4両編成の列車の連結器が突然はずれ
22人の乗客を乗せた4両目だけが急斜面を逆走していきました。丁度その列車に
乗り合わせていた当時30歳だった長野政雄氏は線路に身を投じて列車を止め
乗客のいのちを守った出来事でした。
後に北海道出身の作家三浦綾子氏がこの出来事を題材に小説化した「塩狩峠」は
350万部を超えるロングセラーとなり 12カ国語に翻訳されています。一読をお勧めします。
映画化もされており現在もDVDで観ることができます。
私自身も三度塩狩峠を訪れたことがありますが 訪れるたびに聖書の言葉
「まことに まことにあなたに告げます。一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ それは
一つのままです。 しかし もし死ねば 豊かな実を結びます。」
「人がその友のためにいのちを捨てるという これよりも大きな愛はだれも持っていません。」
とのことばが心に響きました。
現在 殉職碑が建っていますがその石碑に次のことばが記されています。
「明治42年2月28日夜 塩狩峠において 列車の最後尾の連結が突如分離し 逆降暴走す。
乗客全員 転覆を恐れ 色を失い騒然となる。乗客の一人 鉄道旭川運輸事務所庶務主任
長野政雄氏 乗客を救わんとして 車輪の下に犠牲の死を遂げ 全員の命を救う。その懐より
クリスチャンたる氏の常に持っていた遺書発見せらる。『苦楽生死 ひとしく感謝。余は感謝して
すべてを神に捧ぐ』 これはその一節なり。30歳なりき。」
自己中心に生きる今の世にあって ひとりの殉職者の勇気ある生き方に大きな励ましを受けます。