お知らせやイベント、日々の出来事を綴った牧師によるブログ
2016.08.29
市内には大手の古本屋チェーンがありますが
先日思わぬ掘り出し物を購入しました。
本の名前は「札幌とキリスト教」(北海道新聞社 札幌市教育委員会編)です。
現在は版元品切れですが感動しながら一気に読んでしまいました。
冒頭で以前市長であった故板垣武四氏は
「キリスト教と私」と題し次のように記しています。
「札幌を支え 滋養を与え その成長を確かなものにする
大切な根の役目 その一つに私はキリスト教があるように思います。
札幌人の精神の基盤はと問われると よく二つの事が返ってきます。
一つは屯田兵を先達とする開拓者魂であり
もう一つは札幌農学校で数多くの俊秀を育てたクラーク博士の教えです。
クラーク博士は敬虔なクリスチャンであり(中略)
日本を代表する人達がその信仰を受け継ぎました。
また数多くの市民の中にも伝播して行きました。
(中略)札幌の街の風景をことさら個性的にしてくれたのがキリスト教会です。
一方行政がまだまだ行き届かなかった時期から始められた
キリスト教の人々の医療 福祉などの活動
またミッションスクールを中心とした
教育面での仕事も忘れることができません。」
札幌は我が国のプロテスタントが始まった三大都市の一つです。
今から百年前の札幌の人口は約8万7千人でしたが
一つのキリスト教の集会に8750名集まったという記録があります。
人口の一割が集ったということです。
幼稚園の発祥も教会からでした。
その他商業 農業開拓 音楽 社会福祉などでクリスチャンが活躍しました。
本の中で「札幌はキリスト教的な町である。
しかしある時期からこうした印象はだんだん薄くなっていった。
ある時期というのは 高度成長の初期
1960年ごろのことである。」(P.10)とありました。
人々が物質的なことばかりを追い始め 生きる上で大切なことが
何かということを忘れてしまった頃でしょうか。