お知らせやイベント、日々の出来事を綴った牧師によるブログ
2017.10.23
1974年初夏 20歳の時に私は初めて日本を離れました。
羽田からモスクワ経由でコペンハーゲンへ到着しました。
ここで私は”白夜”なるものを人生で初めて経験するのです。
何しろ夜の10時頃まで昼のような明るさです。
私を迎え入れてくれたデンマークは強烈な印象でした。
緑の牧草地 黒い大地 農家の赤い屋根 白い壁
赤いデンマーク牛 黄金色の麦畑・・・
それはまるでおとぎ話の世界のようでした。
私が滞在したのはコペンから汽車で6時間くらい
ドイツ*当時西ドイツ の上に位置するユトランド半島中心都市のオールボーから
さらに40分ほどにあるAsaという河岸沿いにある大きな農場でした。
富豪農家で大きな農地とゲストルームが沢山ある農家でした。
私のバスルーム&トイレだけでも12帖位ありました。
毎日昼ご飯には御馳走が出てキャビアをパンにのせて食べていました。
月から金曜日までは一農夫として一生懸命働きましたが
週末は友達に誘われてカフェテリアに行き飲み明かす生活をしていました。
しかし相変わらず私の魂は飢え渇き何かを求めていました。
それを簡単に一言で言えば”変わらないものはあるのか”といっていいでしょう。
時代が変わろうとも人々のライフスタイルが変わろうとも
変わらないものに人生の土台を置きたかったのです。
さてそんな中9月に入り初めて自ら村の教会に行ってみました。
古い教会でしたがその厳かさ インテリア
少年少女聖歌隊の天使のような歌声・・・感動してしまいました。
しかし何せ言葉がよくわかりません。
礼拝が終わって「いい経験をした。
これでもう教会に来ることもないだろう」と思い家路に急ごうとしました。
その時です。通路の真ん中に一人の老婦人が立ちふさがり
素晴らしい笑顔で私に握手を求め挨拶をしてくださったのです。
「ようこそ!どこから来たの?」
この言葉が私の人生のターニングポイントとなりました。
「自分は何処からきて何処へ向かって生きているのか」
私は「日本から来ました」と答えるとびっくりされて
「日本!?」と答えられました。
まさかデンマークのしかも田舎の田舎の教会に日本人が
礼拝に来るとは思ってもみなかったようです。
むしろデンマークが所有している世界で一番大きな島
グリーンランドから来たエスキモーの青年だと思っていたと後で聞きました。
その方(ヘンヌ)との出会いを通し私の人生は変わりました。
毎晩のようにご不自由な体で車を運転され
私の住む農場に来られ今日は若者の集まりへ行こう 明日は友人の家へ
今度はご自宅へと*養豚農家であのような美味しい豚肉と
ジャガイモを食べたことは後にも先にもありません。
私を誘ってくださり又息子さんの着ていた服などをくださいました。
とにかくどこの馬の骨かわからないこの私のために
隣人愛を表し示してくださったのです。
私の心に魂に光がサッと差し込んできました。
以後4回程デンマークを訪ねましたが丁度私が居たころ
リバイバル*信仰復興運動 が村で起きており
ある晩ノルウェーから来られていたメッセンジャーを通し
私は自らの罪を悔い改め 信仰を告白し
数か月後に村の教会で洗礼を受ける恵みに預かりました。
その後教会へ通っている農家にホームステイが許され
忘れることのできない日々を送ることになりました。
夫婦と4人の子供たちに囲まれて幸いな日々でした。
昨年夏に奥さんの誕生日会に出席するためにデンマークを訪れましたが
40年以上も家族との交わりが続いており本当に感謝しています。
親したった友人も牧師や宣教師になったりし今でも交友があります。
デンマークでの経験を記すと限りがありませんがとにかく
私の青春否人生最大の経験でした。
「あなたの若い日に あなたの創造者を覚えよ
わざわいの日が来ないうちに また
”何の喜びもない”と言う年月が近づく前に」(伝道者12:1)