PASTOR BLOG 牧師からのメッセージ

お知らせやイベント、日々の出来事を綴った牧師によるブログ

2019.04.16

Boys be …

Q:今日4月16日は何の日かご存知でしょうか?

A:それは今から142年前に札幌農学校の

初代教頭であったクラーク博士が札幌を離れ

島松の地で見送りに来た学生たちに対してあの有名な

言葉「Boys be ambitious…..」 と語った日です。

クラーク博士に関して知っているようで知らないことが多くあります。

1826年に米国東部マサチューセッツ州に医者の息子として生まれました。

ご存知のように米国は英国から独立後

新天地を求めて英国からやって来た大勢の人々によって開拓されました。

少年時代は運動も勉強もそして喧嘩も

誰にも負けぬ活発な子供だったそうです。

トップの成績で名門アマスト大学へ進学し

その後ドイツへも留学されています。

帰国後は母校の教授そして41歳の若さで

マサチューセッツ農科大学の学長に抜擢されます。

まさしくエリート中のエリートであったわけです。

さてその頃明治初期の我が国は200年の鎖国が解かれ

海外から多くの教師・技師を招聘していました。

北海道も米国式農法を取り入れ 時の開拓長官 黒田清隆氏は

札幌に次世代のリーダーを育成するために

農学校を設立することになりました。そのモデル校となったのが

マサチューセッツ農科大学だったのです。

そしてその初代の指導者としてクラーク博士が招かれたのです。

クラーク博士49歳の時のことでした。

「私は日本に伝えるのは米国の進んだ技術ではありません。

大切なのは自然と共に生きようとする精神スピリットです。

私はこのフロンティア・スピリットを伝えに

日本に伝えに行くのです。」と語っていたそうです。

横浜では沢山の聖書を買い込み

授業前には毎日礼拝(聖書と祈り)から始まったと言われています。

*一期生は全員クリスチャンとなり洗礼を受けました。

五千円札で有名な新渡戸稲造もその一人です。

当初細かな校則があったそうですが

クラーク博士は一言

「Be gentleman !](紳士であれ)一つに改められたそうです。

24名の学生たちと取っ組み合ったり

雪合戦をしたり森に行って自然観察をしたり

楽しく時に厳しく過ごしました。

飲酒をする学生がいたそうで学生の前で

米国から持参した高級ワインを割り

禁酒を約束したという逸話も残されています。

学生たちに計り知れない影響を与えた

クラーク博士の札幌滞在期間はわずか八か月でした。

そしていよいよ別れの時がやって来ました。

札幌から島松まで車でもかなりの距離がありますが

学生全員が見送りに来ました。

一人ひとりに力いっぱい握手をした後

馬の上からあの言葉

「Boys be ambtious,not for money,

or for selfish aggrandizement」

(少年よ大志を抱け お金のためででなく

己の富や名声のためでなく)と叫んだとも

「Boys be ambitious like this old man]

「少年よ大志を抱け この年老いた男(クラーク博士)のように」

とも言われています。

米国に帰国後色々な苦難の道を

クラーク博士は通られたようですが

臨終の場で牧師に向かい

「自分の生涯で札幌で学生たちと

過ごした時間が最高の時であった。」

と語られたそうです。

私もこの精神を大切に生きたいと願っています。

教会行事のお知らせ

・4月21日(日)イースターチャリティーコンサート

17時半~

・4月28日(日)賛美ワーシップ

10時40分~

*ユース礼拝堂 ハワイから賛美チームが来られます。

どなたでも心から歓迎いたします!