お知らせやイベント、日々の出来事を綴った牧師によるブログ
2019.05.07
讃美歌のAmazing graceは日本語聖歌では
「驚くばかりの恵み」と訳されています。
教会の結婚式の時にも独唱曲として歌われます。
聖書的な「恵み」の意味は神様の愛を表します。
新婦の中に恵さん めぐみさんがいらっしゃりたり感動しますね。
さてこのAmazing graceという歌が
どのように世に誕生したかを記したいと思います。
作詞者はジョン・ニュートンといって
今からおよそ300年前の1725年に英国で誕生しました。
父は船乗りで厳格な人だったようです。
母は敬虔なクリスチャンで毎週日曜日
ジョンは母に連れられ教会の礼拝に通っていました。
母の祈りは将来我が子が神様のために働く人となることでした。
しかしジョンが7歳の時に母は病に倒れ
まもなく息を引き取るという悲しいことが起こりました。
この年齢の時に愛する母を失うということは
さぞかし精神的にショックを受けたことでしょう。
父はまもなく再婚しジョンは厳しい継母と
過ごさなければなりませんでした。
17歳の時すっかり神様のことなど忘れてしまったジョンは英国海軍に入隊
その後奴隷売買に関係している船会社に入り
当時英国が植民地化していたアフリカの国々の人たちを
インドなどの国々へ運び強制労働をさせる仕事をしていました。
伝記によるとその当時は心も荒れ
かなり酷いことをしていたようです。
ジョンは聖書の言葉を引用し当時の心の状態を語っています。
「その目は姦淫に満ち 罪に飽くことがなく
心が定まらない人たちを誘惑し
心は貪欲で鍛えられています。
彼らは呪いの子です。」(2ペテロ2:14)
しかし母の祈りが成就する日が来ました。
ある夜仕事を終え英国へ向かう途中
ジョンの乗る船は暴風雨に巻き込まれました。
それは数日続きこのままでは沈没することがわかり
自らの死をジョンは覚悟しました。
その時走馬灯のように少年時代の思い出
母の微笑 祈る姿 讃美歌・・・
そして自分が犯した数々の罪を思い起こし
神に必死に悔い改めの祈りを涙とともに船底で捧げたそうです。
1748年3月10日ジョンは回心し
奴隷売買の仕事から手を引き
教会に戻りやがて牧師になる決心をし
人生をやり直したのです。
「こんな最悪な私の多くの罪が赦されたのは
神様の深い愛 哀れみ 恵みによるものだ」
こうしてAmazing graceという歌が生まれたのです。
人生はやり直せます!
♪
驚くばかりの恵みなりき
この身の汚れを知れるわれに♪
(聖歌)