PASTOR BLOG 牧師からのメッセージ

お知らせやイベント、日々の出来事を綴った牧師によるブログ

2019.07.22

晩鐘

3月19日のこのブログでも少し触れましたが

ユース礼拝堂にある牧師室に

ミレーの晩鐘のレプリカ画が飾られています。

私の好きな絵の一つだからです。

一日の農作業を終え 夕方畑の上で若き農民夫婦が頭を垂れ

一日の労働を神に感謝している姿は美しいものです。

畑の遠くには小さく教会堂が描かれています。

この「晩鐘」*アンジェラスの鐘は

ミレーが45歳の時に描いたものです

(1859年)。

当時大変な貧乏であったミレーが友人に頼み込んで

ようやく2500フランの安価で売却したものでした。

当時は朝 昼 夕と一日三回人々に

神への祈りの時を知らせる合図として

教会で鐘を鳴らしました。

ミレーのお婆さんが熱心なクリスチャンで

伯父の牧師であったことからミレーも若き日に信仰を持ち

神から与えられた才能を通して被造物である

自然や田舎の風景や農民の暮らしを描き続けました。

ミレーの絵はやがて世の人々に知られるようになりましたが

当時フランスを統治していたナポレオン三世から

田舎ばかりを描くミレーの作品はけなされ批評されました。

ミレーは「悪口を言う者には勝手に言わせておけばいい

私が田舎とそこで働く農民を描くということ姿勢は

いつまでも変わりません」と時のナポレオン三世に

どういわれようと批判されようと自らの信念を貫き通しました。

やがてミレーの作品に感動する人々が

フランス全土 ヨーロッパそして世界へと

広がって行きました。

生涯のほとんどは貧しかったのですが

天に召される前にパリ万博が開催され

(1867年)

「晩鐘」は最優秀賞を受賞しました。

自らの信念に基づき一つのことを最後まで貫

ミレーの信仰と生き方に励ましを受けます。

皆さんは生涯を通して貫きたいものを持っていらっしゃいますか。

尚この作品は現在パリのルーブル美術館に飾られています。