お知らせやイベント、日々の出来事を綴った牧師によるブログ
2019.12.14
1818年 今から201年前のことです。
あと数日でクリスマスという日の午後
オーストリアの片田舎のオーベルドルフという村の教会で
思いもよらないことが起こりました。
村の小学校の校長先生であるグルーバー先生は
教会のオルガニストでもありました。
大切なクリスマスの礼拝のために一人
教会でオルガンの練習をしようとオルガンの前に座り
ペダルを踏みましたがさっぱり音が出ないのです。
慌てて調べてみるとどうもネズミが空気袋に
穴をあけていることがわかったのです。
「クリスマス礼拝には間に合わない・・・」。
そんな時教会の司祭のヨセフ・モーア先生が教会に来られました。
一連の出来事を聞いたモーア先生は
「グルーバー先生 オルガンがだめならギターがありますよ。
実は昨日の朝早く一人の教会員のご婦人が
可愛い赤ちゃんを出産しました。
お見舞いに行った帰り道雪明りの中
あまりの静けさと清らかさに深く感動し
このような歌詞を作りました。
グルーバー先生ギターで歌えるように
曲を付けてください。」
♬ きよしこの夜 星は光
救いの御子は まぶねの中に
眠りたもう いとやすく ♬
グルーバー先生は大変感動し即座に作曲をしました。
いよいよクリスマスイヴの礼拝の日がやってきました。
村の人々は教会に集いました。
子供たちの聖歌隊によって世界で初めて
Sille Nacht(きよしこの夜)が歌われました。
その晩やっとオルガン修理のために
教会に来たマウラッヒャーさんは
修理をしながらその歌を聞いていました。
「なんと美しくクリスマスにふさわしい歌だろうか!」
と感動し その噂がオルガン職人の仲間に伝えられ
感動の輪がチロル地方
そしてドイツにヨーロッパ中へと伝わり
やがてアメリカ 全世界へと広まっていったのです。
もしネズミがオルガンの空気袋に穴を開けなかったら・・・
ご婦人の出産がなかったら・・・
モーア先生に感動がなかったら・・・
オルガン修理の方が教会にやって来るタイミングが違っていたら・・・
その人一人の感動で終わっていたら・・・
この曲は一教会のクリスマスに歌う歌で終わっていたかもしれません。
人生も同じようなことがありますね。
24日のイヴ礼拝でも皆さんでこの歌を歌います。
是非いらしてくださいね。
尚22日(日)10:40からもクリスマス礼拝&祝会
25日(水)はライラックチャペル(北1西18)
19:00~クリスマスの夕べを行います。
ajohno91@grace.ocn.ne.jp(申し込み先)
良きクリスマスをお迎えください!